コメ高騰にWパンチか? 厄介な害虫「イネカメムシ」大量発生の恐れ…埼玉県では“越冬数43倍”確認
コメ高騰が続く中、厄介な虫の大量発生が懸念されている。
気象庁によると、今年は春から夏にかけて高温傾向になる予報だ。カメムシの繁殖に有利な条件となっているため、農水省はコメ生産者への注意喚起を行っている。
特に警戒感が高まっているのが、イネカメムシだ。イネ科植物を好んで食べ、コメの品質や収穫量を低下させるなど、大きな被害を及ぼす。農水省によると、近年は発生量が増加傾向にあるという。
埼玉県は昨年、イネカメムシの大量発生により県内のコメ生産者に大きな被害が出たため、今年から本格的な越冬成虫の調査を開始した。埼玉県病害虫防除所の昨年11月~今年3月の調査によると、県内の全172地点のうち100地点で、越冬したイネカメムシが確認された。1平方メートルあたりの個体密度は17.1匹で、調べた場所や数が異なるため単純比較はできないが、前年比で43倍だったという。
「今年は越冬したイネカメムシの数がとても多い。その数からシーズンが始まり繁殖していくため、過去と比べても発生量が大きく増える可能性があります」(埼玉県病害虫防除所の担当者)