16歳少年が命を絶ったのはAIのせい? 米国で起きたChatGPTめぐる史上初の訴訟の行方
AIは少年を自死に導いたのか--米国で自ら命を絶った少年の両親が、原因はChatGPTにあるとして損害賠償を求める訴訟を起こした。
今年4月11日、米カリフォルニア州に住むアダム・レインさん(16=写真)が縊死した。アダムさんは亡くなる前、数カ月間にわたってChatGPTに自らの死に関する相談をしており、AIがアダムさんの希死念慮を肯定し、具体的な方法を助言するなどしていた。偶然、このことを知った両親は、ChatGPTの開発元であるオープンAI社と同社のサム・アルトマンCEOに責任があるとして、損害賠償を求める民事訴訟を起こしたのだ。
アダムさんは、学校生活に行き詰まり、自宅でオンライン学習をしていた。当初、課題の補助としてChatGPTを使い始めたが、徐々に個人的な相談をするようになった。訴状には数カ月間のチャットログが含まれており、ChatGPTがアダムさんの不安や強迫観念をひとつの解決策として肯定したり、苦悩を両親に相談しないようアドバイスした例が挙げられている。
アダムさんの母親は「ChatGPTのせいで、私たちは息子を救う機会さえ奪われた」と批判している。