「小遣い月5万じゃ足りません」玉の輿婚を遂げた32歳妻、“メルカリ”バイトで見つけた嬉しい誤算
【不倫ドキュメント・ファイル~なぜ禁断の恋をするのか?】
世の中、不倫の話題で持ちきりだ。2024年に実施された調査によると、既婚男性の約2人に1人、既婚女性の約3人に1人が婚外恋愛経験者だという。SNSやマッチングアプリが普及し、不倫のハードルは下がる一方。しかし、その裏にある人間の欲望と自己演出には注意が必要だ。
ワイドショーの定番、それは芸能人の不倫騒動。謝罪会見に活動休止──愛に溺れた代償はあまりにも重い。
世間が「不倫=絶対悪」と決めつけるなかで、それでも、人はなぜその扉を開けてしまうのか。禁じられた恋に身を投じる不倫の背景をCA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持ち、数々の人間模様を見てきた筆者が読み解いていきたい。
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望まれて結婚したけれど
結婚は人生の節目。誰もが幸せな未来を夢見るが、ふたを開けてみると予想外の現実が待っていることもある。
今回紹介するのは――資産家に嫁ぎながら、夫が「ドケチ」と判明。思わぬ形で働き始めた妻が、そこで出会った年下の恋人のおかげで女を取り戻すエピソードだ。
取材に応じてくれたのは、ちひろさん(34歳主婦・子供なし)。
「昔から口下手で恋愛も奥手でした。お付き合いしても長続きせず…30歳を過ぎて親戚の勧めでお見合いをしたんです。『地味で控えめなところがいい』と、今の夫に気に入られて結婚しました」
小遣いは月5万円
夫は45歳。都内にマンションや駐車場を持つ資産家で、職業はマンションオーナー。バツイチで前妻との間に子供もいる。親からの資産を受け継ぎ、不労収入だけで暮らせる裕福な家庭だった。
地方の質素な家に育ったちひろさんは、経済的不安のない生活と、女性をリードしてくれるような頼もしいアニキ肌の夫に惹かれたという。
だが誤算はすぐに明らかになった。
「持ち家は義両親との二世帯住宅。義父母は朝5時起きなので、私もそれに合わせて起きます。家事は義母と交代制。さらに夫からは『小遣いは月5万円。足りなければ自分で稼げ』と宣告されました」
見つけた意外な仕事
5万円では友人との食事、美容、洋服代など到底足りない。ただ、「家事をきちんとすれば、好きな仕事をしていい」と条件がついた。
そこで知人に紹介されたのが、意外にもゲームセンターのクレーンゲーム――通称「クレゲ」での“仕事”だった。
「人気のフィギュアなど、レア商品を取ってメルカリで売ったら、想像以上に稼げたんです。次第にクレゲ仲間もできて…その一人と恋に落ちてしまいました」
10歳年下の恋人との出会い
相手は10歳年下の宗孝さん(24歳・フリー塾講師/独身)。
「四ツ谷にある有名大学出身で、家庭教師や塾講師をして月60万ほど稼いでいると聞いてびっくり。しかもクレゲは趣味で、人気商品の転売もしているんです。頭脳明晰で気配り上手。夫にはない若さと大らかさに惹かれてしまったんです」
夫の「アニキ肌」に感じていた安心感は、今やただの強引さ。ケチでモラハラ気質な部分ばかりが目につくようになった。
一方、宗孝さんは商品を取る「裏技」まで教えてくれた。
「狙った商品が取れない時は、店員さんにお願いして位置を少しずらしてもらうんです。ある程度課金してもダメなら、店員を呼べる裏技があったんですね。これは驚きでした。
ゲーム中は、宗孝さんが隣で『もう少し右』『もっと手前に』などとアドバイスしてくれるんですが、その時に体が触れ合って、胸が高鳴ってしまって…。
実は夫との営みは苦痛ばかり。しかも『元妻との子供がいるから、もう子供はいらない』と言い出す始末で、家庭はギスギス。そんな時に宗孝くんと逢うと、癒されて、女を取り戻せるんです」
自分が「昼顔妻」になるなんて
デートは平日の午後、ゲームセンターの後、ラブホテルへ。
「彼と肌を重ねながら『今日の商品はいくらで売ろう?』『売れ残っているものと、抱き合わせで売ったら?』なんて真剣に話すんです(笑)。私も生活費を稼ぐのに必死ですから」
そして夕方には家に戻り、夕食の支度をする。
「まさに、人気ドラマ『昼顔~平日午後3時の恋人たち』の世界です。朝は家族のために朝食を作り、家事をこなし、午後はゲームセンターからラブホへ。午後3時には彼の腕の中で、夕飯の献立を考えている…そんな生活です」
ちひろさんは続ける。
「夫は資産を守ることに夢中で、私を女として見てくれない…でも、夫のケチが巡り巡って、宗孝くんと出会わせてくれたんですから、災い転じて福となす!ですね」
そう言ってちひろさんは笑い、スマホを取り出した。メルカリで商品が売れた通知が届いたのだ。今では固定客もつき、安定収入になりつつあるという。
◇ ◇ ◇
結婚には誤算がつきもの。
だが、ちひろさんは「不幸な妻」に留まらなかった。
夫に縛られながらも、自ら稼ぎ、恋をし、女を取り戻す。
その姿は、まるで「人生というゲーム」を軽やかに楽しんでいるかのようだった。
(蒼井凜花/作家・コラムニスト)