「第二の脳」腸内マイクロバイオータは3歳までに形成される
生物を共通の特徴ごとにグループ分けしたものに「生物分類の階級」がある。進化の過程を理解するためで、広い範囲から徐々に狭い範囲に絞られていく。ヒトは、真核生物[ドメイン]、動物[界]、脊椎動物亜[門]、哺乳[綱]、霊長[目]、ヒト[科]、ヒト[属]、ホモサピエンス[種]と分類される。DNAの95~99%がヒトと同じゴリラは、真核生物[ドメイン]、動物[界]、脊椎動物亜[門]、哺乳[綱]、霊長[目]、ヒト[科]、ゴリラ[属]となり、以下ゴリラの種類に分かれる。
細菌も同じように分類される。同じ特徴の細菌がどう分化したかを知り、未知の細菌を正しく特定するためだ。
日本人の腸内にすむ細菌叢の90%以上は4つの門(バシロタ門、バクテロイデス門、アクチノマイセス門、プロテオバクテリア門)で構成されている。欧米人はさらに2つの特徴的な門が加わる。
これらの門に属する細菌はヒトに有益な作用をする「善玉菌」、悪い作用をする「悪玉菌」、体が弱ったときに悪さをする「日和見菌」が含まれる。例えばバシロタ門には、乳酸菌や酪酸を産生する善玉菌、ウェルシュ菌やブドウ球菌などの悪玉菌、レンサ球菌などの日和見菌が属している。大腸菌やピロリ菌、カンピロバクターはプロテオバクテリア門に属する日和見菌だ。