オレが「記念品」にまったく頓着しないワケ…初ヒット、通算350号の記念球も誰かにあげた
プロ3年目の1989年9月10日、初の一軍昇格から3試合目のヤクルト戦で、ようやく初安打を打つことができた。
ホームのナゴヤ球場。4点を追いかける九回裏に代打で打席に立ち、左前にポテンヒットを打った。
相手は同い年のギャオス(内藤尚行)。愛知生まれの同郷で、地元の豊川高から86年のドラフト3位で入団した。高校時代に対戦したこともあって、コイツなら打てると思っていた投手の一人だった。
もっとも、プロ3年目まで一軍に上がれなかった俺とは違い、ギャオスは1年目から開幕一軍入りを果たすと、3年目には先発、リリーフとして大活躍していた(89年は41登板で12勝5敗8セーブ、防御率2.82)。
「ギャオス、すげえなあ」
と、リスペクトはしていたものの、高校時代のイメージもあって、「俺の歴史の一ページ目がギャオスかよ。それもポテンヒットかよ……」とガッカリしたのを覚えている。
この記念すべき初安打のボールは手元にはない。俺は記念ボールにまったく興味がないからだ。2009年8月16日にロッテの唐川侑己から打った350本塁打の記念ボールも試合後に俺のところに届けられたけど、誰かにあげてしまった。自分で持っているより、他の人が持っている方が大切にしてくれると思うからだ。