(3)過干渉や過保護、依存…女性は母親との関係が原因に
過食や拒食、過食嘔吐を繰り返す摂食障害。多くは通常の生活ができなくなり、学生時代に発症した場合には不登校やひきこもりの原因になることもあります。多くの不登校、ひきこもりの子どもたちのカウンセリングを行ってきた小野幸子・さち臨床心理研究所所長は、摂食障害が契機になりひきこもりや不登校、うつになることも珍しくないと言います。
Aさんもその一人。中学2年生の時に摂食障害になり、2度の休学、さらには不登校、ひきこもりも経験しました。
「きっかけはダイエットでした。1年間で体重が10キロ減り32キロになっていました」(Aさん)
10年にわたり複数の医療機関を受診したが治らず、23歳の時から小野所長のカウンセリングや心理療法を受け、3年後に摂食障害を克服。大学、大学院へと進学し、現在は臨床心理士として活躍しています。
「摂食障害の原因は複数ありますが、背景にあるのは家族、特に母親との関係です。母親が過干渉や過保護、娘が母親に従順で依存しているような関係がほとんどです。治すには本人だけではなく母親や家族にアプローチする必要があります。関係がそのままだと、いったん治まっても再発することが多いからです」(小野所長)