「8月29日」に日米で起きていたこと…値上げラッシュでさらなる物価上昇か? 日米関税交渉も暗礁に
内閣府は8月29日、日本経済の需要と潜在的な供給力の差を表す「需給ギャップ」が4~6月期に0.1%のプラスになったとの推計を発表した。
2023年4~6月期以来、8四半期ぶりに需要不足が解消した。すなわち、単純に市場経済下の「物」の需給バランスで考えると価格の上昇、インフレ要因であろう。
同じ日、総務省は東京都区部消費者物価指数(中旬速報値、2020年=100)を発表。生鮮食品を除く総合指数は110.6と、前年同月比2.5%上昇だった。プラスは48カ月連続である。
また、帝国データバンクも29日に9月の値上げ品目数を発表した。主要食品メーカー195社の値上げ予定は飲食料品が1422品目に上り、前年同月比0.6%増。9カ月連続のプラスで、供給側主導による消費者物価の上昇要因だ。
足元、米国との自動車・同部品への関税引き下げ交渉が難航している。8月29日、日米両政府は、対日相互関税の負担を軽減する特例措置や、自動車関税引き下げの大統領令と、5500億ドルの対米投資に関する共同文書の発出を同時に行う方向が判明と報じられたが、赤沢亮正経済再生相は8月28日から予定していた訪米を急きょ取りやめた。共同文書の米国の要求を把握したからだろう。すなわち、関税引き下げ実現が一段と先延ばしされかねず、譲歩を余儀なくされると想定したからだろう。