著者のコラム一覧
中西文行「ロータス投資研究所」代表

法政大学卒業後、岡三証券入社。システム開発部などを経て、岡三経済研究所チャーチスト、企業アナリスト業務に従事。岡三インターナショナル出向。東京大学先端技術研究所社会人聴講生、インド政府ITプロジェクト委員。SMBCフレンド証券投資情報部長を経て13年に独立。現在は「ロータス投資研究所」代表。

「8月29日」に日米で起きていたこと…値上げラッシュでさらなる物価上昇か? 日米関税交渉も暗礁に

公開日: 更新日:

 内閣府は8月29日、日本経済の需要と潜在的な供給力の差を表す「需給ギャップ」が4~6月期に0.1%のプラスになったとの推計を発表した。

 2023年4~6月期以来、8四半期ぶりに需要不足が解消した。すなわち、単純に市場経済下の「物」の需給バランスで考えると価格の上昇、インフレ要因であろう。

 同じ日、総務省は東京都区部消費者物価指数(中旬速報値、2020年=100)を発表。生鮮食品を除く総合指数は110.6と、前年同月比2.5%上昇だった。プラスは48カ月連続である。

 また、帝国データバンクも29日に9月の値上げ品目数を発表した。主要食品メーカー195社の値上げ予定は飲食料品が1422品目に上り、前年同月比0.6%増。9カ月連続のプラスで、供給側主導による消費者物価の上昇要因だ。

 足元、米国との自動車・同部品への関税引き下げ交渉が難航している。8月29日、日米両政府は、対日相互関税の負担を軽減する特例措置や、自動車関税引き下げの大統領令と、5500億ドルの対米投資に関する共同文書の発出を同時に行う方向が判明と報じられたが、赤沢亮正経済再生相は8月28日から予定していた訪米を急きょ取りやめた。共同文書の米国の要求を把握したからだろう。すなわち、関税引き下げ実現が一段と先延ばしされかねず、譲歩を余儀なくされると想定したからだろう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  3. 3

    サントリーHD会長を辞任!新浪剛史氏の意外な私生活、趣味は「極妻」鑑賞と…違法薬物めぐり家宅捜索

  4. 4

    佐々木朗希に浮上「9月にもシャットダウン」…ワールドS連覇へ一丸のドジャースで蚊帳の外

  5. 5

    ドジャース大谷翔平に深刻な疲労蓄積…安打も本塁打も激減、「明らかにスイング鈍化」との指摘も

  1. 6

    巨人に漂う不穏な空気…杉内投手チーフコーチの「苦言連発」「選手吊るし上げ」が波紋広げる

  2. 7

    サントリーHD新浪会長宅ガサ入れはすでに噂されていた? 報道より1週間先行していたX投稿に注目集まる

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希の「豹変」…記者会見で“釈明”も5年前からくすぶっていた強硬メジャー挑戦の不穏

  4. 9

    《浜辺美波がどけよ》日テレ「24時間テレビ」永瀬廉が国技館に現れたのは番組終盤でモヤモヤの声

  5. 10

    開示された3回目の「森友文書」で発覚! 財務省「黒塗り」の“お寒い”内情