育児や介護など…「望まない転勤」による退職者が増加している切実な背景

公開日: 更新日:

 金融・保険業は全国転勤を前提としているが、みずほフィナンシャルグループは、育児や介護など社員の事情により全国転勤社員でも「転勤なし」を選択できる制度を導入。東京海上日動火災保険は総合職全員に転勤・転居で本人の同意を毎年確認する新制度を26年4月に導入。日本生命は今年度から人事制度を大きく変更、内勤社員を総合基幹職とし、「全国・グローバル型」「エリア転勤型」、転勤のない「非転居型」を設定。「全国・グローバル型」でも育児・介護で一時的に「非転居型」に移行するなど柔軟な働き方ができる制度になっている。

 世界中に拠点を持つ商社も転勤制度の見直しに取り組んでいる。三井物産は昨年7月から全社員の65%を対象に3年ごとに国内外への転勤可否の選択制度を導入。「転勤あり」と「転勤なし」を選択した社員とでは1割程度手当に差がつく。人材獲得競争の激しい建設業界では、大成建設が転勤手当として最大100万円を支援している。

 転勤可否の選択や転勤者に手当の新設、増額を実施するなど、望まない転勤・転居制度の見直しは、企業の生き残りへの大きな試金石になる。

(ジャーナリスト・木野活明)

【連載】仕事力がアップする経済ノート

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大の里、豊昇龍の両横綱も戦々恐々…「新怪物」加入で躍進止まらぬ伊勢ケ浜部屋の巨大戦力

  2. 2

    星野監督は中村武志さんを張り倒した直後、3ランを打った隣の俺にも鉄拳制裁…メチャクチャ痛かった

  3. 3

    「ブラタモリ」抜擢の桑子真帆アナ “金髪チャラ系”の大学時代

  4. 4

    松重豊は福岡の人気私立「西南学院」から明大文学部に 学費の問題で日大芸術学部は断念

  5. 5

    元幕内照強の“しょっぱい犯罪”に角界も呆れた…トラブル多数現役時代の「ヤンチャ」な素顔

  1. 6

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  2. 7

    小祝さくらは「加齢の影響」漏らしていた…ツアー6週連続欠場の深刻度

  3. 8

    84歳の五月みどりが最期のパートナーと過ごす“やすらぎの刻”…経営するギフトショップは閉店

  4. 9

    9.8決戦を目前に過熱する「石破おろし」情報戦…飛び交う総裁選前倒し「賛成」の票読み

  5. 10

    巨人・泉口友汰がセ首位打者に浮上…遊撃手“3番手扱い”からの進化を支える2人の師匠