茅ヶ崎「えぼし本店」肉厚の鯵刺しのねっとりした歯応えとうま味

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最低でもあと5回は来ないと食いたい魚が食いきれない

 まずは赤星(780円)で乾杯。お通しの自家製豆腐がうまい。塩でやると大豆の甘さが際立つ。これだけで期待値ストップ高。カマス天(850円)の熱々を塩でバクリ! さっくりふわふわって陳腐な表現だけど、ホントにそうなんだからしょうがない。塩なら日本酒だ。浦霞の冷や(800円)をぐびり。サイコ~。そして今シーズン最初の白子天(1300円)、これも塩で。今度は〆張鶴お燗を2合(1400円)で。ほら、だんだん止まらなくなってきたぞ。そこに肉厚の鯵刺し(850円)だ。生姜醤油でやればこの世は天国。ぷりぷりというよりねっとりした歯応えとうまみが素晴らしい。そこに〆張鶴のお燗だ。もう何も言うまい。放心状態の還暦男である。アタシを見る連れの目が「どうだ! 思い知ったか」と言っている。完敗です。もはや鯵刺しはえぼし以外では食えない体になってしまったアタシ。責任とれ!

 その後もなめろう(880円)で八海山(880円)、地魚炙り寿司(950円)で司牡丹(750円)。で、コロッケ(950円)で締めるという暴挙。今回はこの辺で勘弁しておこうって、どっちが? 今日は豊かな相模湾の魚を堪能しました。ただ困ったことに、最低でもあと5回は来ないと食いたい魚が食いきれない。こりゃ茅ケ崎通いが続きそうだ。

 織田店長に見送ってもらい、相方は男だが駅まで腹ごなしの散歩としゃれこむ。道沿いにはぽつんぽつんとよさげな店が明かりをともす。いいね。年も押し迫った時期に、うまい酒と魚で旧友と来し方行く末を語り合うのもオツなもの。そこで今回の結論。終盤戦に入ったこれからの人生で大事なものは、センスの合う遊び相手の友人を持つことである。そう思わない? (藤井優)

○えぼし本店 茅ケ崎市南湖5-17-56

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