「ふなずし」「箱寿司」発酵ブームで再注目…郷土すしの起源は? ラオスでも食べられている"なれずし"って何?

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■同じ発酵でも世界観の違う「郷土すし」の魅力とは?

 発酵デザイナーの小倉ヒラク氏は日本各地や世界のお寿司を食べ歩き、その経験から「世界SHUSHIサミット」を立ち上げている。背景には「握りだけがお寿司じゃない」ということを伝えたかったからだという。

「特に沿岸部の地域では『お寿司で観光客を呼ぼう』という取り組みがたくさんあります。ただ、そうした“お寿司の押し方”ってどうしても『新鮮なネタ』『職人の包丁さばき』『江戸前の握り』という“現代的なお寿司像”にフォーカスしがちです。そこでお寿司の概念を覆すことを目的で始めました」

 郷土ずしには、三重県の「てこね寿司」のような「混ぜる・和える」スタイル、大阪府の「箱寿司」のように「固めて美しく切る」スタイル、塩と米でガチガチに発酵させる滋賀県の「鮒寿司」をはじめとした「なれずし」、そして、甘酒や糀でやさしく発酵させる石川県の「かぶら寿司」などがある。

「てこね寿司は驚くほど“甘い”。お菓子みたいな感覚すらあります。お茶碗でお酢を量って同じくらいの量の砂糖を加えています。同じ“発酵寿司”でも、滋賀の鮒寿司のように長期保存と強い塩分を生かすものもあれば、かぶら寿司のように『保存性を捨てて、甘さやうま味を取りにいく』方向もある。寿司って、同じ“発酵”でもここまで世界観が違うんだというのが魅力です」

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