新宿「仲足龍造栄養研究所」の肉刺しで元気いっぱい

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店に歴史あり

 さて、この肉刺しが半端なくうまい。スライスしたハツ、ハラミ、タンに、それぞれに合うタレが付いている。「昔は生レバーやズイや脳みそなんかも出していましたが、この20年くらいで肉を扱う環境が変わっちゃいまして」と春山さん。

 30年ほど前、先代の時代に食べた肉刺しは今では絶対に食えない部位を含めた生肉が大皿に一緒盛りにされていた。それは菜食主義者が見たら腰を抜かしそうな様相。そこにピリ辛の味噌ダレがかかり、若かりしアタシはそれを貪り食っていたのである。

 その後、BSEやO-157の影響で肉をめぐる環境が激変。部位によっては食肉市場内で廃棄される。加熱処理を義務付けられる部位が増え、さらにもつ鍋ブームによる内臓肉の高騰が続く。それは赤ちょうちんにとって想像以上に厳しい時期だった。それを乗り越え今では5代目も厨房に立っている。まさに店に歴史ありだ。気が付くと続々と予約客が入ってくる。働き盛りの男性が多いが、最近は女性客も少なくないようだ。

 帰り際、奥さんがニンニク酒をふるまってくれた。ク~! これが効くのよって、何に? ところで、4代目はお品書きの黒板に書かれた「仲足龍造栄養研究所」という言葉を女性客にどう説明するのかしら。男性読者諸氏には説明不要だね。 (藤井優)

○赤ちょうちん 新宿区新宿1-18-10

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