著者のコラム一覧
大竹聡ライター

1963年、東京都生まれ。早稲田大学第二文学部卒業後、出版社、広告代理店、編集プロダクションなどを経てフリーに。2002年には仲間と共にミニコミ誌「酒とつまみ」を創刊した。主な著書に「酒呑まれ」「ずぶ六の四季」「レモンサワー」「五〇年酒場へ行こう」「最高の日本酒」「多摩川飲み下り」「酒場とコロナ」など。酒、酒場にまつわるエッセイ、レポート、小説などを執筆。月刊誌「あまから手帖」にて関西のバーについてのエッセイ「クロージング・タイム」を、マネーポストWEBにて「大竹聡の昼酒御免!」を連載中。

(31)川を渡って寿司屋で飲む

公開日: 更新日:

 六郷河川敷を後にして、橋の上から多摩川を見下ろした。夕暮れが迫る水面はトロリとして静かだ。車や人、ときに自転車が橋を渡る。その先は、神奈川県川崎市だ。品川の次の宿場が、川崎である。高度成長期には京浜工業地帯の中心だった。

 江戸時代から賑わいのある庶民の街、労働者の街。その濃い雰囲気が。今も残る。

 少年野球を見た後、とぼとぼと夕刻の橋を渡った私は、川崎競馬の帰りに寄ってみたことのある界隈で、いかにも庶民的な雰囲気の寿司屋に入った。

 カツオがいいですよ。板前のお薦めに従って食べた5月のカツオがうまかった。ビールで始めて、新潟の地酒に移り、2杯、3杯とやるうちに、昼間見た少年野球の練習風景が蘇った。隣り合わせた客と競馬のGⅠ競争の話で盛り上がりながら、心の奥でグローブの匂いを求めていた。

 ホッキ貝の焼き物がうまい。アジ、コハダの握りもいい。

 酒は「吉乃川」。長岡の老舗蔵の酒が、止まらなくなった。

【連載】大竹聡 大酒の一滴

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