(6)スロットの大当たりはよかったものの、その後が…
「少し動けますか?」
そう尋ねると男性は首を横に振る。これでは椅子から動かすことさえ難しく、救急要請をすることにした。7分後、救急隊員が到着したのだが、男性を抱えストレッチャーに移すのが大変だった。
■一時の幸運も下駄を履くまでわからない
救急隊員2人と私と店長の4人でそれぞれ手足をつかみストレッチャーに乗せようとしたのだが「イタタタタタタ」と大きな声で騒ぐ。ようやくストレッチャーに乗せ、動かそうとした。
すると今度は苦しそうな声を出しながら驚くべき言葉を口にした。
「わ、わ、私のコインは?」
店長が「大丈夫ですよ、お店のほうでキープしておきますから」と答えると安心した顔になり、おとなしく救急隊員の指示に従う。この期に及んでもコインのことは忘れない。その後、男性を乗せた救急車は近くの病院へと向かった。
店長と一緒にゲームセンターに戻り、男性が獲得したコインの入ったオケを持ってみると確かに重い。10キロ近くあるのではないだろうか。スロットで大当たりの「幸い」、そして大量のコインを持ち上げようとしてギックリ腰からの救急搬送の「不幸」というわけである。

















