(52)中国の焼酎うまし
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神戸の「杏杏」という店を教わったのはそれから10年ほど後のこと。広東の家庭料理の店で、訪れたときは春だったので、豆苗炒めで青島ビールを飲んだ。豆苗のあまりのおいしさに、思わず前のめりになった私は、自家製腸詰を注文した。豚の肩ロースを刻んで、酒、醤油、砂糖などに漬けてから腸に詰め、寒風にさらすという。中国料理特有の香辛料はほどほどで、肉のうまみが濃い。とても食べやすく、食べごたえもある。
この料理に合わせたのが、茅台(マオタイ)である。まだ30代のころ、取材でお会いした文学者に思い出の食と酒を訊いたとき、名前が出たのが、茅台だ。それを覚えていたから、神戸の店でメニューにその文字を見つけて迷わず頼んだのだった。
この酒は、格が違った。門司港の白乾児とも違うし、台南で豚の角煮と合わせた金門高粱酒とも違った。主たる原料はいずれも高粱であるが、茅台は、高粱と小麦を原料とし、何度も蒸溜を繰り返し、3年ほどの熟成期間を経てから飲むのだという。
そのためだろう。角が取れていて、飲み口はスムーズであり、コクがあり、甘味も感じさせながら、ほのかに香るのである。度数は50度ほどあるらしく、強い酒なのだが、ストレートで飲んでもそれを感じさせない。見た目同様に、透き通っていて、とても上品な味わいのスピリッツなのである。
















