4カ国に高級住宅 逮捕のゴーン会長「私的流用」の実態判明
日産会長のカルロス・ゴーン容疑者による私的流用の一端が明らかになった。海外子会社の資金を使って、世界4カ国で高級住宅を購入し、無償で自宅として利用していたことが発覚した。
日産は2010年ごろ、資本金60億円でベンチャー企業投資を目的にオランダに子会社を設立。
この子会社がブラジル・リオデジャネイロの高級マンション、レバノン・ベイルートの高級住宅のほか、フランス・パリ、オランダ・アムステルダムに住宅を相次いで購入。業務上の正当な理由がないにもかかわらず、無償でゴーン容疑者に提供していた。購入費や改築費、維持費などとして、これまでに会社側から数十億円が支払われた。
子会社の設立には、同じく金融商品取引法違反容疑で逮捕されたグレッグ・ケリー容疑者が深く関与しており、これらの住宅購入取引もケリー容疑者が主導したとされる。
一連の住宅提供は有価証券報告書への記載がなく、東京地検特捜部はこうした利益供与が実質的な報酬にあたるとみて、ゴーン容疑者をめぐる不透明な資金の流れを解明する方針だ。