円高・株安の嵐 日銀“ETF爆買い”で「債務超過」に現実味
円高・株安の流れが勢いづいてきた。米中貿易戦争が長引く中、トランプ米大統領は先月30日、不法移民対策への不満から、すべてのメキシコ製品に輸入関税を課すと表明。日米両市場の株価は下落し、急激な円高が進行している。日経平均は2万円割れ寸前。爆買いを続け、身の丈を超えた株を保有する日銀がいよいよ「債務超過」に陥ることも現実味を帯びてきた。
トランプ大統領の関税表明を受けて、31日の日経平均の終値は前日比341円安、2万601円と約4カ月ぶりの安値を付けた。また、安全資産である円が買われ、急激な円高が進行。31日のNY外国為替市場は、1ドル=108円台前半と1月中旬以来の円高水準となった。
3月の日銀短観によると、今年度の想定為替レートは108.87円(大企業製造業)だから、アッサリ突破してしまった。
「米中貿易摩擦が直撃の製造業を中心とする輸出関連企業にとって、この急激な円高は泣きっ面に蜂です。さらに、貿易摩擦の影響を受けにくい小売りや不動産など内需関連株も消費増税を控えて弱含み。原油安でエネルギー関連もパッとしない。悪材料ばかりが揃い、2万円割れも近いとみられています」(兜町関係者)