脳梗塞や心筋梗塞の再生誘導医薬で注目の「ステムリム」
ステムリム(4599)は、8月9日にマザーズ市場に新規上場した銘柄で、再生誘導医薬の開発を目指すバイオ企業です。
再生誘導医薬は、ヒトが本来持つ組織修復能力を最大限に引き出すことにより、機能的な組織・臓器の再生を誘導する新しい医薬品です。自己組織再生能力は、生体内に存在するさまざまな組織に分化することが可能な幹細胞が、損傷組織で増殖能と分化能を発揮することで、組織の再生が促されています。
再生誘導医薬は、この組織再生能力の基盤となる幹細胞の供給量を増やすことで、組織再生を促進します。再生医療と異なり、体外で培養・加工した細胞を使うのではなく、患者自身の体内での再生医療を実現します。
ステムリムの研究開発パイプラインは5本で、主な市場ターゲットは、日本、米国、欧州となっています。最も進んでいるPJ1(HMGB1)は現在、第Ⅱ相試験を行っています。この適応症である表皮水疱症は難病で新規患者数が少ないため、大規模な第Ⅲ相試験を計画することが困難です。よって、第Ⅱ相試験の結果を踏まえ、医薬品の承認申請を行う予定とのことです。