中国に支えられる日本経済 上げ潮ムードに水差す米中対立
新型コロナウイルスの世界の感染者数は3400万人を超え、死者は100万人を突破している。死者はアメリカが20・9万人、ブラジルが14・6万人、インドが10・2万人と飛び抜けて多い。この3カ国が4割強を占めている。人の移動を含め、経済活動の再開を急ぎすぎたツケだと思う。
とはいえ、主要国の製造業の景況感が急改善を示しているのは確かである。感染防止策と景気浮揚の兼ね合い(両立)は難しい。結局、どちらかを犠牲にするしかないのだろうか。ちなみに、中国の製造業の景況感を見ると、2月を底にV字形の回復を見せている。次いでアメリカ、ユーロ圏が4月に底打ち、日本は5月にボトムアウト。日本は中国の“好調”に支えられている。
中国は自動車販売の復調が著しい。自動車のナンバープレートの発給緩和、購入補助金の支給などの効果が指摘されている。自動車販売は昨年末の新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)前の水準を上回っているという。こうした状況を背景に、製造業の設備投資は活発だ。日本の中国向け工作機械受注が7月に前年同月比50%増と急伸したのは自動車業界の設備増強を反映したものだろう。