「武富士」に対してだらしなさが際立った朝日新聞社
今度出した『時代を撃つノンフィクション100』(岩波新書)に私は、サラ金の武富士に関する本を2冊入れた。山岡俊介の『銀バエ』(創出版)と三宅勝久の『武富士追及』(リム出版新社)である。
山岡は武富士のドンの武井保雄が命じた人間に盗聴され、ヒットマンまで放たれようとした。
そんな武富士の広告を『朝日新聞』は載せ続けたのである。
2005年11月に出た『武富士追及』にはこう書かれている。
「特に『朝日新聞』の武富士に対するだらしなさは際立っている。2004年5月と9月、武井保雄に対する刑事公判の真っ最中にもかかわらず、『朝日新聞』大阪本社版が営業広告(全5段、半5段)を掲載した」
上半身でリベラルなことを言っても、武富士の広告を載せては、下半身が真っ黒に汚れていることになる。それをエリート記者たちは何とも思わなかったのだろうか。それでは記者失格だろう。
2006年9月23日付の『東京新聞』に三宅と(株)金曜日が、武富士と同社の会長だった武井による「訴訟テロとの戦い」に勝利したという記事が出た。