小沢コージ
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小沢コージ自動車ジャーナリスト

雑誌、web、ラジオ、テレビなどで活躍中の自動車ジャーナリスト。『NAVI』編集部で鍛え、『SPA!』で育ち、現在『ベストカー』『webCG』『日経電子版』『週刊プレイボーイ』『CAR SENSOR EDGE』『MONOMAX』『carview』など連載多数。TBSラジオ『週刊自動車批評 小沢コージのカーグルメ』パーソナリティー。著書に『クルマ界のすごい12人』(新潮新書)、『車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本』(宝島社)、『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた 27人のトビウオジャパン』(集英社)など。愛車はBMWミニとホンダN-BOXと、一時ロールスロイス。趣味はサッカーとスキーとテニス。横浜市出身。

レクサス初のピュアEV UX300eは100km乗ると良さがジワリと

公開日: 更新日:

レクサス UX300e(車両価格:¥5,800,000/税込み~)

 現代EVシフトに対するレクサス流の回答は、すでに1つ出ていた。昨年10月に国内発売が発表されたレクサス初のバッテリーEV、UX300eだ。既存コンパクトSUVのUXがベースで、搭載リチウムイオン電池は54.4kWh。航続距離はWLTCモードで367kmと決して悪くない。

 ただし昨年の国内割り当てはわずか135台で、通常販売は今年2月に始まったばかり。それだけでレクサスがEVにさほど熱心でないことがうかがえ、同時にまずコンパクトモデルをEV化したことからも狙いが透けて見える。

 そもそもトヨタグループは、テスラや欧州プレミアムのような大容量バッテリーEVに消極的なのだ。ピュアEVはバッテリーが車重全体に占める割合が大きく、大型車をEV化すると電池だけで数百キロとなる。事実、アウディe-tronのバッテリー重量は約700kg! かなり悩ましいアンバランスぶりだ。

敢えて高級車からピュアEV化しなかった

 しかし、プレミアムなクルマを買うお金持ちほど、新しい乗りものを好むのは事実で、理想と現実は異なる。実際最初に売れ始めたEVは1000万円前後の高級車ばかり。本来ならレクサスもLSやRXのような大型セダンやSUVからピュアEV化するのが定石である。しかしレクサスは、敢えてその戦略を取らなかったのだ。

 さらにUX300eに乗ってみると、レクサスがこれ見よがしな演出をしていないのが分かる。

 大抵のプレミアムEVはガソリン車では出せない加速力を自慢とする。テスラ・モデルSなら0-100km加速で2.7秒というフェラーリ顔負けの速さを発揮し、高級車ジャガー初EVのiPeceですら0-100km加速4.8秒と速い。

 だがUX300eのそれは7.5秒と、普通車にしては速いがEVとしては速くないし、走り始めても、分かりやすくスポーティーなクイックステアリングやスポーツカーのように効くゴリゴリのブレーキシステムは持たない。

「疲れない」に振ったEVなのだ

 ところが、走り始めて100kmを超えたあたりだろうか。ジワジワとその良さが伝わってくる。長距離走っても疲れないEVならではの静粛性とノイズの少なさはもちろん、何よりも圧倒的な乗り心地の良さ。UX300eは全長ほぼ4.5mのコンパクトSUVだが、ボディーの揺れの少なさ、しっとりした上質感は、ヘタな大型セダン顔負けだ。

 そしてピュアEVならではの超滑らかな加速とブレーキング。モータースペックはピークパワー&トルクが203PS&300Nmとそれなりだが、前述したように首が痛くなるような猛烈加速は持たない。

 なのに、本当にきめ細やかにキモチ良く前進するのだ。走って100kmを超えると、誰もがその疲れのなさに驚くはず。EVは静かさ、速さと同時に走りを上質にし、疲れなくさせる効果がある。UX300eはそちらに振ったEVなのだ。

 正直地味でインパクト不足だが、長く乗るとジワジワ身体に染みてくる。こういうEVもあるのである。

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