<3>あれもこれものリフォームより、1000万円で可能な平屋への建て替えはどうか
埼玉県の熊谷市郊外で、築40年が経過した建売住宅に住む遠井安男(仮名)。75歳になって後期高齢者入りしたのをキッカケに安心できる暮らしを考え、100万円投じてバリアフリー・リフォームすることを思い立った。しかし、また問題発生だ。
当初は、段差の解消と手すり設置のバリアフリー工事で済ますつもりだった。しかし、珍しく帰省した長男が「どうせリフォームするなら、風が吹き込む古い風呂場も直したら」と言い出し、妻も大いに同意。話が振り出しに戻ってしまった。
ガタがきた部分をあれもこれも直すと1000万円もリフォーム費用がかかるから断念したのに、まったく事情がわかっちゃいない。「口を出すならカネを出せ」と思わず長男に文句を言いたくなったが、相手は安月給の子育て真っ最中。グッと我慢だ。
そこで再び自宅の建て替えを考えてみた。老朽化が進んだ古家に1000万円ものリフォーム費用をかけるくらいなら、いっそ新しくする手はないのかーー。
なじみになった近所の工務店に相談すると、「ふつうの2階建てだと、どんなに予算を絞っても2000万円はかかる。でも夫婦2人だけなら、平屋でもいいのではないか。それなら1000万円ほどで2LDKが可能になります」という話だった。