証券業界の新潮流② 新参の若手投資家は日本株を買わない
前回は、若年層を中心に新規の証券投資口座が急増している背景を書いた。では、彼らはどこに投資しているのか。
もともと日本人は投資対象が自国中心の「ホームカントリーバイアス」が強いとされてきた。しかし近年は投資対象が国内株から米国株へ急速にシフトしている。ネット証券大手3社(SBI、楽天、マネックス)の海外株の売買代金は2021年11月までで約12兆8000億円と、20年通年比で4割も増加した。
また海外株を組み込む投資信託への純流入額は、21年12月16日時点で7兆9196億円と、これまで最大であった07年の5兆6760億円を大きく上回り過去最大になった。その上位は、米国のテック企業などに投資するファンドや、米S&P500に連動するインデックスファンドなど米国株関連が大半を占めている。一方、21年の日本株投信への純流入額は357億円で、海外株投信の0.5%弱にすぎない。
つまり、株式市場に参戦してきた若者たちの主な投資先は国内株でなく、米国株ということなのだが、その理由は次の2つだ。