新型ゴルフGTIは速くて上質、しかも実用的! 一粒で三度オイシイ
フォルクスワーゲン ゴルフ GTI(車両価格:¥4,660,000/税込み~)
クルマ好きなら一度は速くて楽しいスポーツカーと家族で乗れるファミリーカーの2台持ちがしたいと思うもの。だが、それはなかなか難しく、そんな人のための一粒で三度オイシイモデルの決定版が登場した。ドイツVWの新型ゴルフGTIだ。
実用ハッチバックのメートル原器、VWゴルフの派生車種で今回で8世代目。見事なまでに速さと実用性と上質感を両立させている。
今回のキモは新型ゴルフ8ベースになったGTIがどこまで進化してるかだ。
傍目にはノーマルゴルフとさほど変わらず、要所要所にGTIのシンボルカラーの赤黒ラインが入り、ちょっとワイルドな前後バンパー、サイドスカートが備わったぐらい。もちろんタイヤは十分太めでホイール径もデカい。X字に配されたLEDフォグランプも夜は目立つ。
しかしそうは言ってもまだまだ上品。インテリアもGTI伝統のタータンチェックのバケットシートや専用メーターが目立つくらいで後はノーマルゴルフと同じ。なにより全長4.2m台のコンパクトサイズにして大人5人が普通に座れ、380Lの十分なラゲッジ容量を確保するパッケージングはさすが。ここまでならまったくもって普通のファミリーカーだ。
速いはムチャクチャ速いが上品さも備える
しかし走り出し、深めにアクセルを踏むとまったく別の顔を覗かせるから嬉しくなる。
エンジンは旧型GTIから全面的にブラッシュアップした2ℓ直4ターボ。ピークパワーが15ps、ピークトルクが20Nm増して245ps&370Nmに。従来の3ℓ以上のエンジンに匹敵するパワースペックだ。
それにコチラも進化した7速ツインクラッチのDSGギアボックスが組み合わされるのだが、シフトショックは少なく、加速は滑らか。速いはムチャクチャ速いが、同時に上品さも備えている。
一方乗り心地は正直硬め。エンジン音も特に回した時は完璧にスポーツカー的な乾いた音色。この辺りはノーマルゴルフとは一線を画す。
ただ、足回りが硬めな割にショックの入りがトガってないので長距離でも快適だし、キモチのよい硬さ。おいしい本格パスタのような歯ごたえある走り味なのだ。
欲張りお父さんにはオススメの実用ハッチ
また基本的には曲がりにくいフロント駆動車のゴルフだが、コーナリング中に内側ブレーキをつまんで曲がり易くする制御や新型GTIから備わった電子制御式デフロックにより、タイトコーナーでもビックリするほど良く曲がる。
見た目は実用車、速さや走り味はスポーツカーという欲張りお父さんにはオススメの実用ハッチバックなのだ。
唯一の問題は、ノーマルゴルフより100万円以上高い466万円の価格だが、2台買うと思えば安いもの。ぜひとも一粒で二度オイシイ男の合理的な夢グルマをアナタにも試乗していただきたい。