ドネツク州での戦勝パレード中止…プーチン大統領「5.9勝利宣言」断念でヤケクソ暴走の兆候

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 ウクライナ東部の制圧に向け、攻撃を続けているロシア軍。来月9日の対独戦勝記念日が迫る中、ドネツク州で予定していた戦勝パレードを断念した。「勝利宣言」に暗雲が漂う一方、プーチン大統領は核使用への姿勢を強めている。ブラフなのか、それとも本気なのか。

 ◇  ◇  ◇

 インタファクス通信によると、親ロシア派武装勢力「ドネツク人民共和国」トップのプシーリン氏は28日、来月9日の戦勝記念日にパレードを行わないと表明。東部での戦闘が来月中旬以降も続くとの見通しを示し、州全域を完全制圧した後に改めてパレードを実施する方針だという。

 東部制圧はプーチン大統領にとって、メモリアルデーを祝うための必須条件だったはず。ドネツク州マリウポリでは、ロシアの傀儡副市長がパレード実施の意向を示していた。パレード中止は裏を返せば、東部での「勝利宣言」を事実上、諦めたということか。筑波学院大教授の中村逸郎氏(ロシア政治)がこう言う。

「ロシア軍は予想以上に東部制圧に苦戦しています。そもそも軍の官僚主義が根深く、陸海空の横のつながりや部隊内の連携がうまくいっていないことが今回の軍事侵攻で露呈しました。東部制圧後のパレード直前にプーチン大統領が現地を電撃訪問するか、リモートで祝福を述べるのではないかと考えていましたが、実現は難しいでしょう。パレード中止は『勝利宣言断念』に等しいと思います」

核攻撃や大戦勃発へのトーンを高めている

 今後の戦況で懸念されるのは、プーチン大統領がチラつかせている核使用の可能性だ。プーチン大統領は27日、議会向け演説で「必要があれば我々は他国が持たない手段を用いる」と核攻撃を示唆。ウクライナ侵攻に第三国が介入した場合は、「電光石火の対応を取るだろう」と強調した。

 恐ろしいのは、第3次世界大戦まで見据え、ヤケクソ気味になっているフシがあることだ。

 ロシアのメディアを分析している「ロシアン・メディア・モニター」によると、国営ニュース専門局「RT(旧ロシア・トゥデイ)」のマルガリータ・シモニャン編集長は26日、テレビ番組で「ウクライナに屈するか、第3次世界大戦になるか。我々の指導者(プーチン)を鑑みれば、私は第3次世界大戦の方が現実的だと思う」などと発言したという。

 核使用や大戦勃発を念頭に「どうせいつかは皆死んでしまうのだから」とまで言い放っている。

 いつか死ぬのだから、核を使おうが世界大戦になろうが構わない──。メチャクチャな理屈だが、「ロシアによる軍事侵攻はない」という国際社会の予想を裏切ったプーチン氏である。本気で核攻撃に踏み切るつもりなのか。

「今後、ロシア軍が狙っているウクライナ南西部オデーサでの攻防が激しくなりそうです。ウクライナはオデーサを取られてしまうと内陸国家になってしまい、穀物の輸出などができなくなる。オデーサに近いモルドバやルーマニアにとっても痛手です。ルーマニアはNATO加盟国であり、NATOがオデーサへの攻撃を見過ごすとは考えにくい。オデーサを巡る攻防激化を予想して、プーチン大統領は戦術核の使用を含め軍事作戦のトーンを高めています。『NATOが出てきたら、核攻撃も世界大戦も辞さない』と国際社会に見せつけているのです」(中村逸郎氏)

 プーチン大統領の暴走を止める術はないのか。

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