旧村上ファンド(下)地銀の大株主に浮上 再編のカードは東京きらぼしFGか?
旧村上ファンド系の投資会社、シティインデックスイレブンスが保有していた新生銀行の株式をすべて、SBIホールディングス(HD)に売却した。SBIHDが新生銀に対して実施した株式公開買い付け(TOB)に応じた。新生銀株を市場外の取引でSBIHDの子会社、SBI地銀HDにTOB価格の1株2000円で売った。
SBIが市場価格より4割高い1株2000円で新生銀株のTOBを開始した2021年9月10日以降、シティは買い増し続け、12月1日時点で保有比率は9.16%まで高まった。シティは高値で売り抜け、一方、SBIは47.77%の新生銀株を保有し、新生銀を連結子会社に組み入れた。
日本経済新聞電子版(22年1月12日付)は舞台裏をこう報じた。
〈21年11月17日。米国から帰国し14日間の自主隔離を終えたばかりの村上世彰は東京・日本橋の新生銀本店を訪れた。
「本気で北尾さん(北尾吉孝SBIHD社長)と対峙する覚悟があるなら、協力を惜しまない」。向き合ったのは、新生銀社長の工藤英之。大規模な自社株買いやホワイトナイト(白馬の騎士)を呼び寄せる可能性を尋ねたが、工藤からは前向きな回答は得られなかった〉