有森隆
著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

フジテック(上)内山高一社長の取締役再任案を株主総会直前に撤回

公開日: 更新日:

 東証プライム上場のエレベーター・エスカレーター専業のフジテックは6月23日、滋賀県彦根市の本社で定時株主総会を開催した。総会開催を1時間後に控えた午前9時、創業家出身の内山高一社長(71)の取締役再任案を取り下げた。総会当日に会社側が現職社長の人事案を撤回するのは極めて異例である。

 ハプニングの伏線はあった。

「内山社長の再任に反対してほしい」。1カ月前の5月20日、フジテックの大株主で香港の投資ファンド、オアシス・マネジメントのセス・フィッシャー氏が株主に、こう呼びかけた。

 オアシスが5月23日付で提出した大量保有報告書によると、オアシスはフジテック株式の9.73%を保有している大株主だ。「定時株主総会で内山社長に反対票を投じ、フジテックを守りましょう」とするサイトを立ち上げた。

〈創業者の息子である内山社長が2002年に代表取締役社長に就任してから、フジテックは中国やインドなどの成長市場で積極的な事業展開に失敗し、市場シェアを失い続けてきた〉とサイト上で指摘し、〈「フジテックと創業家である内山家が保有する企業との間で、多くの疑わしい取引がある」〉と暴露した。

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