外国人留学生が歴史的な円安でも日本で就職するワケ…給料以上に重視することとは?
歴史的な円安に歯止めがかからず、さながらニッポン売りの様相だ。政府・日銀が金融緩和をやめない限り、日米金利差の拡大により、こうした傾向は続く。円安の急加速で、働き手の意識にも変化が起こっている。
〈寿司職人が渡米して、年収8000万円〉
〈日本で働く外国人の仕送り額が目減り〉
こんな見出しで労働者の「日本離れ」が盛んに報じられているが、実際のところはどうなのか。1万5000人ほどの外国人留学生が登録している就職支援サービス「リュウカツ」を運営するオリジネーターの工藤尚美氏はこう言う。
「コロナ禍で採用が絞られた2021年に比べて、22年、23年は日本企業も理系などの高度人材を中心に留学生の採用を増やしている状況です。外資に比べて初任給が安く、日本円での給料は手取り額の目減りが大きいので、世界的に競争力を失っているのは確かです。ただ日本に来ている留学生は、給料以外の点も重視している傾向にあります」
日本にいる外国人留学生が、就職先を選ぶ際に重視する点について、20年までは1位だった「給与水準が高い」が21年に2位になり、「職場環境や社風が合う」が1位となっている(リュウカツ調べ)。