自動車メーカー黒字決算の一方でディーラーが倒産危機…顧客のつなぎ留めにあっぷあっぷ
自動車大手7社の2022年9月中間決算は、円安を追い風に各社大幅な増収となった。
一方、部品メーカーは半導体など部品の供給不足による生産調整が広がり、販売会社(ディーラー)は生産が追いつかず、納車が長期化して利益計上ができない状態が続いている。年末に向け販売ピークを迎える自動車業界だが、新車の販売延期や受注停止が相次いでいるのだ。
6月16日に発売された日産の新型バッテリーEV「サクラ」は、国や自治体の補助金、エコカー減税で販売好調だったが11月の時点で注文が停止中。またトヨタ自動車はアルファード、プリウス、カムリなどが注文停止や長期納期。ホンダは今秋発売予定だった新型SUV「ZR-V」が23年春発売に延期された。トヨタ自動車の首都圏ディーラーの営業幹部がこう嘆く。
「受注契約を取っても最も納入が難しいのがランドクルーザーで、現在注文は中止していますが最後に契約いただいたお客さまには納車は早くて4年、生産次第で6年待ちになることもお伝えしました」
現在、最も売れているヴォクシーはガソリン車が来年11月、ハイブリッド車は再来年1月の納車予定だという。