著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

ニデック(下)お家芸のM&Aを駆使、工作機械で世界一を目指すも…気になる後継者問題の行方

公開日: 更新日:

 ニデックは2030年度に売上高10兆円達成を標榜している。同社の成長の原動力がM&A(合併・買収)である。1984年以降、72件のM&Aを実現。総合モーター会社に変貌した。M&Aはモーターや半導体、制御回路といった分野だったが、近年、工作機械をターゲットにしている。

 21年に工作機械業界に参入。世界に伍した総合工作機械メーカーになる近道を探る。

 工作機械メーカーについては、25年度までに1500億円を投資する。同事業の売上高は25年度に5000億円、30年度に1兆円にする超強気の目標を掲げている。

■永守重信会長が総合工作機械メーカーにこだわる理由

 ニデックのドン永守重信会長が総合工作機械メーカーにこだわるのは、「工作機械の顧客のニーズを吸収し、営業力を強化するためだ」。アフターサービスを含めて、できる限り同じメーカーの製品を揃えたいと望む顧客の声が多いのは事実で、フルラインアップの製品を揃えた工作機械メーカーでなければ、激しい競争に勝てない。

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