著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

ニデック(下)お家芸のM&Aを駆使、工作機械で世界一を目指すも…気になる後継者問題の行方

公開日: 更新日:

■後継者問題に決着はつくのか

 永守会長は24年4月に、副社長5人の中から次期社長を選ぶと宣言した。過去10年、外部から複数の社長を招聘したが、いずれも永守氏が満足する結果を出せず会社を去った。現在は、創業時から永守氏を支えてきた“番頭”の小部博志氏が社長を務めている。

 本当に後継者問題に決着をつけることができるのか。「地べたを這ってきたものでないと(次期社長は)務まらない」と述べている。5人の副社長を選んだ時点でグループ会社のトップを経験していたのは、家電モーターの社長で、りそな銀行出身の大塚俊之氏と前出の三井住友銀行出身の西本達也氏だった。

 永守氏の意を受け、工作機械分野で派手なM&Aの花火を打ち上げる西本氏が、次期社長レースの先頭に立っているように映るが、ひとつでもM&Aに失敗したら即アウト。地獄の一丁目一番地に落ちる。

「(現状を冷静に分析すると)24年春に、新しい社長を決めるのは無理かもしれない」(ニデックの内情をよく知るアナリスト)と外野席の見方はかなりシビアだ。

 筆者は「“ポスト永守”は永守」と言い続けている。この予言が当たらないことを祈っている。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  2. 2

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  3. 3

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

  4. 4

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  5. 5

    広末涼子「実況見分」タイミングの謎…新東名事故から3カ月以上なのに警察がメディアに流した理由

  1. 6

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  2. 7

    国保の有効期限切れが8月1日からいよいよスタート…マイナ大混乱を招いた河野太郎前デジタル相の大罪

  3. 8

    『ナイアガラ・ムーン』の音源を聴き、ライバルの細野晴臣は素直に脱帽した

  4. 9

    初当選から9カ月の自民党・森下千里議員は今…参政党さや氏で改めて注目を浴びる"女性タレント議員"

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」