自民「派閥パーティー」全面禁止は抜け穴だらけ 政党支部・幹部の開催で“裏金の温床”は残る

公開日: 更新日:

 派閥の領袖にとっても、パーティーは大きな収入源。岸田首相は22年だけで1億5509万円をカキ集めた。いくら派閥単位の開催を禁じても、その実態が派閥の幹部クラスが開くパーティーに移行すれば、集金システムは温存される。ノルマ解放の議員たちも、ぬか喜びとなりかねない。

■規制が強まるほどアングラ化

 裏金事件を刑事告発した神戸学院大教授の上脇博之氏が指摘する。

「収支報告書をつぶさに調べると、パッと見は政治家関連の団体でなくとも、特定の政治家のパーティー開催だけを目的に設立された政治団体も、すでに散見されます。刷新本部は中間報告案に、会計責任者が逮捕・起訴された場合、その団体の代表を務める国会議員の処分を明記しましたが、議員に責任が及ばないよう代表の名義貸しが横行しかねません。それこそ無数の『ダミー団体』だらけになれば、資金の流れが今以上に不透明になる懸念もあります」

 22年には薗浦健太郎・元自民党衆院議員が不記載額4900万円の政治資金規正法違反の罪で略式起訴。端緒は、上脇氏が収支報告書に収入の記載のない薗浦氏の「闇パーティー」を告発したことだった。裏金事件の捜査中には、西村前経産相の「架空パーティー」問題が週刊文春で取り沙汰された。「闇」や「架空」がはびこる悪の組織は、規制が強まるほどアングラ化していくのが世の常だ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    トランプ大統領が熱烈支持層と対立のナゼ? エプスタイン事件めぐりMAGA派を「愚かな人々」呼ばわり

  2. 2

    外国人の「日本ブーム」は一巡と専門家 インバウンド需要に陰り…数々のデータではっきり

  3. 3

    リゾート開発計画に揺れる野沢温泉村の村長に聞いた「ニセコでも白馬でもない独自文化の根付く唯一無二の村をつくる」

  4. 4

    新型ダイハツ ムーヴに初試乗! スライドドア化は是か非か? 王者ホンダN-BOXと比べてみた

  5. 5

    「エムット」の商標巡り“ニアミス”騒動も…三菱UFJ銀はポイント還元率最大20%ブチ上げ預金獲得強化へ

  1. 6

    元安倍派・豊田真由子氏が「羽鳥慎一モーニングショー」で暴露!“パー券販売”の驚愕実態にSNS震撼

  2. 7

    賃上げ、人手不足、トランプ関税の“トリプルパンチ”で倒産ラッシュが加速…年間1万件突破も視野に

  3. 8

    米中がしのぎを削る最先端分野の開発競争…日本はカヤの外か?

  4. 9

    安倍元首相の“腹心の友”が白旗…加計学園「千葉科学大」経営行き詰まり公立化要望の無責任

  5. 10

    「8月の円高・株安」と「9月の米国株下落」…2つのアノマリーは本当なのか

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本中学生新聞が見た参院選 「参政党は『ネオナチ政党』。取材拒否されたけど注視していきます」

  2. 2

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  3. 3

    上野樹里“ガン無視動画”にネット騒然! 夫・和田唱との笑顔ツーショットの裏のリアルな夫婦仲

  4. 4

    巨人・阿部監督に心境の変化「岡本和真とまた来季」…主砲のメジャー挑戦可否がチーム内外で注目集める

  5. 5

    松下洸平結婚で「母の異変」の報告続出!「大号泣」に「家事をする気力消失」まで

  1. 6

    松本潤&井上真央の"ワイプ共演"が話題…結婚説と破局説が20年燻り続けた背景と後輩カップルたち

  2. 7

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」

  3. 8

    参政党トンデモ言説「行き過ぎた男女共同参画」はやはり非科学的 専業主婦は「むしろ少子化を加速させる」と識者バッサリ

  4. 9

    松本潤「19番目のカルテ」の評価で浮き彫りに…「嵐」解散後のビミョーすぎる立ち位置

  5. 10

    巨人エース戸郷翔征の不振を招いた“真犯人”の実名…評論家のOB元投手コーチがバッサリ