長野・白馬村の「夜の街」では英語が飛び交い…賑わいと引き換えに消えるジョッキとマイク

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「海外に来たわけじゃないよな」──。スキーシーズン真っ盛りの長野県白馬村を訪れた日刊ゲンダイ記者は、そう呟かずにはいられなかった。

 東京から北陸新幹線で1時間半。JR長野駅に着く。県内各地へと散っていく外国人観光客のために、駅構内には英語や中国語表記の案内板が各所に置かれていた。志賀高原に向かうというインド人の旅行者4人に声をかけられ、高速バス乗り場へと連れ立った。

 2月半ばの3連休初日とあって、バス乗り場は大混雑。駅から白馬まで往復しているバスの車内は乗客50人がギッシリで、補助席も最後尾から先頭まで埋まっていた。

 白馬駅まではバスで約1時間の道のり。日本人観光客もチラホラいたが、聞こえてくる会話は主に英語だ。

 この時期は「夏休み」に入ったオーストラリアやニュージーランドから、白馬の「ジャパウ」(ジャパン+パウダースノー)を目当てにやってくるそうだ。

 白馬はバブル期に国内旅行者向けのペンションなど宿泊業で盛り上がったが、スキー客の減少と共に衰退。1998年の長野五輪で競技会場に採用されたことをキッカケに2005年頃からオーストラリアで誘致活動に力を入れ始めた。今ではオーストラリアからの観光客が半数超を占める。

 八方尾根スキー場のリフト乗り場に隣接するコーヒーショップ店員に話を聞くと、「ゲレンデを利用する人は平日は9割が海外からの観光客。土日祝日は国内旅行者と半々ぐらいですね」という。雪のシーズンは「めっちゃ儲かる」のだとか。

 ゲレンデ利用者の着替えや休憩所に併設されているショップ店員は「コロナ禍が明けて、今年は『雪が少ないけど、インバウンドがめっちゃ多い』って感じです」と喜ぶ一方、「出勤したら待合所が大麻くさいとか、いろんな事件がありますよ」と苦笑交じりに語った。

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