著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

ニトリHD(下)創業者は終身トップを志向する…似鳥昭雄会長もまたしかり

公開日: 更新日:

 昭雄氏は日経に、自分が考えている真実を書いたわけだ。だが、母の目には、話を面白くするための誇張や作り話が多すぎると映ったのだろう。

 超ワンマンの似鳥氏だが、実母だけは、どうも苦手のようだ。

円安が逆風に

「週刊現代」(23年12月30日.24年1月6日合併号)に登場した似鳥氏は、「2024年は世界中で大混乱の一年」と予言した。

 日経平均株価は「上期は3万~3万4000円の水準で動き、下期にかけて上昇し24年末には3万5000~3万6000円の水準を期待しています」とした。しかし、実際の株価は2月に3万8000円台をつけた。日経平均でも的確な予想をするといわれるが、近年の株価は似鳥氏の想定通りには動かない。

 製造・小売りのニトリの業績に直結するのは為替だ。商品の9割以上を海外で生産するニトリは、対ドル1円の円安で年間20億円の利益が吹き飛ぶ。24年3月期は1ドル=130円が前提だったが、強烈な円安の逆風を受け、24年3月中間期(23年4~9月)は247億円の減益要因となった。今は「1ドル=155円前提で商品開発を進める」としているが1ドル=150円台という厳しい現実にさらされている。

 似鳥氏は経営の最前線が似合う経営者だ。「終身トップでいきます」といつ言い出すかだけのような気がしてくる。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • ビジネスのアクセスランキング

  1. 1

    ロピア(上)カトパンの夫が社長就任後に急成長 イトーヨーカ堂の7店舗を手に入れる

  2. 2

    くも膜下出血で早逝「ブラックモンブラン」41歳副社長の夫が遺してくれたもの…妻で竹下製菓社長が告白

  3. 3

    メンタルヘルステクノロジーズ 刀禰真之介社長(1)若乃花・貴乃花兄弟を育て上げた明大中野相撲部監督が担任教師

  4. 4

    名門ゼネコン復活なるか? 三井住友建設はインフロニアHDによる買収で完全子会社化へ

  5. 5

    山田養蜂場“パパ活”専務逮捕で経営に大打撃…グループ企業向け貸し付けが今後の課題

  1. 6

    トランプ政権もう不協和音?イーロン・マスク氏「ソフトバンクはカネがない」と78兆円AI投資に疑義の本音

  2. 7

    「カラオケの鉄人」に問われるのは創業者の手腕…市場は縮小化、多角化で再浮上図れるか

  3. 8

    「ブラックモンブラン」竹下製菓が最大の危機に…事業拡大の矢先、右腕の夫と会長の父に先立たれ

  4. 9

    メンタルヘルステクノロジーズ 刀禰真之介社長(2)コンサル業界への就職を目指して思い知らされた学歴の壁

  5. 10

    学びエイド 廣政愁一社長(1)カリスマ予備校講師から上場企業の社長に

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    朝ドラ「あんぱん」豪ちゃん“復活説”の根拠 視聴者の熱烈コールと過去の人気キャラ甦り実例

  2. 2

    愛知県犬山市にある「もうひとつの万博」に行ってみた “本家”と違いストレスフリー&コスパよし

  3. 3

    亡き長嶋茂雄さんの長男一茂は「相続放棄」発言の過去…身内トラブルと《10年以上顔を合わせていない》家族関係

  4. 4

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  5. 5

    長嶋茂雄さんは助っ人外国人のセックスの心配もしていた。「何なら紹介してやろうか?」とも

  1. 6

    「時代と寝た男」加納典明(16)小熊を屋内で放し飼い「筋肉、臭い、迫力、存在感がぜんぜん違った」

  2. 7

    長嶋茂雄と連れ立って石原裕次郎さんのお家で朝まで豪遊した顛末 試合は雨天中止と思ったのに…

  3. 8

    僕は宝塚シニアの3年時、全国大会初出場でPL学園からスカウトされた。後に阪神同期入団する二塁手は…

  4. 9

    長嶋茂雄さんは当然のように電車改札を「顔パス」しようとして、駅員に捕まった

  5. 10

    “中居正広寄り”の古市憲寿氏と視聴者のズレはどこで生まれた? フジ日枝批判での存在感は早くも過去のものに