著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

ニトリHD(上)似鳥昭雄会長10年ぶりの社長復帰は「創業者の宿痾」

公開日: 更新日:

 家具・インテリア製造小売り大手のニトリホールディングス(HD)は2月1日付で、中核子会社ニトリの社長に似鳥昭雄ニトリHD会長(79)が復帰した。社長に返り咲くのは10年ぶり。会長兼社長となり、ニトリHDの会長も続投する。業績が足踏みしていることから、「やっぱり任せ切れなくなった」(元古参役員)。

 創業者社長の宿痾といってしまえばそれまでだが、似鳥氏は80歳の大台の一歩手前だ。どんな強靱な人でも80歳という人生の大きなヤマを越すと、ガックリくることが多い。

 武田政則ニトリ前社長(58)はニトリHDの副社長に就き、海外事業に専念する。ニトリHDは2023年9月末時点で中国台湾、マレーシアなどアジアで148店舗を展開。今回の人事で意思決定のスピードを上げ、さらなる拡大を図るのが狙いという。それでも周囲は「社長失格の烙印を押されたわけだから、針のむしろが待っている」と懸念する。

 今回の社長交代を額面通り受け取る向きはほとんどいない。長期展望に立っての幹部の配置とは思えないからだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  5. 5

    巨人正捕手は岸田を筆頭に、甲斐と山瀬が争う構図…ほぼ“出番消失”小林誠司&大城卓三の末路

  1. 6

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  2. 7

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    「ばけばけ」苦戦は佐藤浩市の息子で3世俳優・寛一郎のパンチ力不足が一因