著者のコラム一覧
中西文行「ロータス投資研究所」代表

法政大学卒業後、岡三証券入社。システム開発部などを経て、岡三経済研究所チャーチスト、企業アナリスト業務に従事。岡三インターナショナル出向。東京大学先端技術研究所社会人聴講生、インド政府ITプロジェクト委員。SMBCフレンド証券投資情報部長を経て13年に独立。現在は「ロータス投資研究所」代表。

過去最高益喧伝の裏で…景気は混沌、下請け企業の賃金上昇は実現するのか

公開日: 更新日:

 日産自動車(以下日産)が「下請けいじめ」、すなわち下請法違反を公正取引委員会から指摘された。日産は下請け企業に支払いの不当な減額を行っていたが、不当な減額強要は数十年前に始まり常態化していた可能性がある。

 まさにコストカッター、ある意味「下請けいじめ」で日産を再建させたカルロス・ゴーン元社長は、2002年に小泉純一郎首相から「企業改革経営者内閣総理大臣表彰」を受けていた。

 1956年に「下請代金支払遅延等防止法」(下請法)が制定された。この法律は、資本力の大きな企業(発注者)が資本力の小さな企業や個人事業主(受注者)に発注した商品やサービスに対して不当な代金の減額・不当な返品・支払いの遅延を禁止している。この法律は、独占禁止法を補完する法律として位置付けられてもいる。ゴーン元社長は下請法を知っていたのだろうか。

 東証の上場企業は、今期に過去最高益と喧伝されているが、その裏に下請け問題もあろう。大企業1512社などで構成される日本経済団体連合会(経団連)は、春闘で大幅賃上げというが、基本的に下請けとなる中小零細企業の給与が大企業を上回ることはない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  3. 3

    前田健太は巨人入りが最有力か…古巣広島は早期撤退、「夫人の意向」と「本拠地の相性」がカギ

  4. 4

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  5. 5

    来春WBCは日本人メジャー選手壊滅危機…ダル出場絶望、大谷&山本は参加不透明で“スカスカ侍J”に現実味

  1. 6

    詞と曲の革命児が出会った岩崎宏美という奇跡の突然変異種

  2. 7

    高市政権にも「政治とカネ」大噴出…林総務相と城内経済財政相が“文春砲”被弾でもう立ち往生

  3. 8

    「もう野球やめたる!」…俺は高卒1年目の森野将彦に“泣かされた”

  4. 9

    連立与党の維新が迫られる“踏み絵”…企業・団体献金「規制強化」公明・国民案に立憲も協力

  5. 10

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋