ビットコインは半年で3倍近く値上がり史上最高値記録…高騰する暗号資産は「買い」なのか
株や債券のリスクヘッジに
ビットコイン高騰の背景は、ほかにもある。
「ビットコインETFをSECが承認することは市場が織り込み済みで、その思惑買いは昨年からありました。市場の関心は、その次です。時価総額でビットコインの2番手の暗号資産イーサリアムを巡っては、先物ETFが承認され、現物ETFへの承認期待も強い。その思惑から、暗号資産全体が盛り上がり、すでに承認されているビットコインETFに資金が集まっている可能性が高いのです。この2つで市場の過半を占めますから」
そう指摘するのは、経済ジャーナリストの森岡英樹氏だ。SECがビットコインETFを金融商品として承認したのは、マネーロンダリング(資金洗浄)対策の側面もあるという。ビットコインの今後について、森岡氏に詳しく聞いた。
「ビットコインを皮切りに2009年から流通し始めた暗号資産は、今や2万種類あるといわれていて、マネーロンダリングの恐れも指摘されています。そこでSECはビットコインだけは金融商品であると線引きすることで、マネーロンダリング対策も狙っているのでしょう。ゴールドやシルバーと同じように金融商品として認められた格好です」
今後、暗号資産の現物ETFの承認が相次ぐと、金融商品の組み合わせ(ポートフォリオ)が幅広くなる。たとえば、世界最大の投資機関・日本のGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、国内外の債券と株式を25%ずつ保有しているが、そこに暗号資産が組み込まれる可能性は十分あるだろう。
「暗号資産は、株式や債券、通貨、金、不動産などのような既存の金融商品とは異なるロジックで成り立っていて、その価値体系もまったく違います。つまり、ほかの金融商品と異なる値動きをするのです。値動きが異なる金融商品を組み合わせることは、保有する金融資産のリスクヘッジに最適。さらに暗号資産は、グローバルな金融商品なので、インフレ対策にもなります。こうしたメリットから、暗号資産市場はすでにシルバーの市場規模と同規模になっているのです」
シルバーの市場規模は2月末現在、1.35兆ドルだ。前述した通りビットコインも同じ規模に成長している。
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