著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

ニデック(上)在籍2年のソニーグループ出身・岸田光哉副社長を社長に起用した理由

公開日: 更新日:

 一流企業のエリートを引っ張ってきて後継候補に据えるという手法は、これまでのやり方とまったく変わらない。

「真の生え抜き社長が誕生するのは早くて4年後。岸田の次の社長候補として、28年にはプロパーの社長候補が出てくる。次を担えそうな人材を早く育てていきたい」と永守は今後の展望を語る。

 昨年3月の時点では「新体制発表に伴って代表権を返上する」と言明していたが、この約束を完全に反故にし、永守は代表権を持ち続けることになった。これではニデックの表紙はまったく変わらないことになる。「海外のM&Aには代表権が必要」というのが代表権を持ち続ける理由だが、説得力に乏しい。ニデックのドン、永守体制は不変なのだ。

「業績を上げてくれ。株価を上げてくれ。言いたいことはそれだけだ」としているが、思い通りにいかなければ、いつでも強権を発動できる。

 業績&株価という2つの課題を達成できなければ、前任者たちと同じで、あっさり見切りをつけられることになる。 =敬称略、つづく

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