著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

ニデック(下)カリスマ経営者が自動車メーカーのEVシフトを読み違えて大きく躓いた

公開日: 更新日:

 今回の下方修正により、通期の売上高営業利益率の予想は修正前の10%から7.8%まで低下する。永守はかねて「営業利益率が10%を下回る事業は赤字だ」と語ってきた。イーアクスル事業が会社全体の足を引っ張るほどの不調ぶりであることが浮き彫りになった。

 車載事業を統括し、EV向けイーアクスル事業を担当する岸田を、「社歴2年にすぎない。大丈夫なのか」と不安視する声があることを承知の上で社長に起用した。

 これまでの永守は、自分は最終責任を負わず、「任せたよ」と言って社長にした人物に全責任を押し付けてきた。だが、もう、そんな逃げ道はない。

 30年度に売上高10兆円という壮大な目標を掲げている。車載事業で高水準の世界シェアを取る必要がある。

「ソニー出身の岸田を後継社長に指名したのは、ソニーとホンダが共同開発しているEVとの連携を考えているからかもしれない。ソニー・ホンダが、はたしてニデックの技術を高く評価しているのかどうかだ。越えなければならないハードルは高くて遠い」(証券アナリスト)

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