著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

エルピーダメモリ(上)坂本幸雄元社長が76歳で死去…元祖“日の丸半導体”経営者の栄枯盛衰

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 坂本氏は批判なんかどこ吹く風。「不本意な敗戦 エルピーダの戦い」(日本経済新聞出版刊)を出版。本書で「自分の経営は間違っていなかった」と自画自賛した。被害者の怒りは一層、増幅した。

 16年1月4日放送の「プロフェッショナル 仕事の流儀」(NHK)は、同番組放送開始10周年の特別番組だった。「よくも悪くもいろいろあった10年。挑戦を続けるプロたちを描く」というテーマで放送され、坂本氏が登場した。

 エルピーダは経済産業省の官僚のインサイダー疑惑の舞台になった会社でもある。12年2月27日の倒産会見で坂本氏は「(メディアが)どこからか聞いてきた話をすぐに記事にしたことが、どれだけ我々の提携交渉を妨害したことか」と八つ当たりした。本来なら成功したはずの提携交渉が進展しなかったのはマスコミのせいだと言わんばかりの発言に、倒産会見の会場から失笑が漏れた。

 報道によって「提携がダメになった」というのは、天に唾するようなものだったからである。マスコミをいいように使おうとして、それに失敗した中年経営者の哀れな姿が、くっきりと浮かび上がった。 =つづく

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