著者のコラム一覧
重道武司経済ジャーナリスト

1957年鳥取県倉吉市生まれ。84年フジサンケイグループ傘下の経済紙「日本工業新聞」(現フジサンケイビジネスアイ)の記者となり、千葉支局を振出しに鉄鋼、自動車、総合電機、財界、金融、エネルギー(電力・石油・ガス)などの業界を担当。2000年外資系通信社に転じた後、02年からフリーに。得意分野は通信社時代を含めて在籍足掛け7年にも及んだ日銀記者クラブ時代に人脈を培った金融。自動車業界にも強い。

後発薬の品不足や供給混乱が続き…厚労省が「薬」業界再編へジリジリ圧力

公開日: 更新日:

 業界には170社程度のメーカーがひしめく。しかも「大半が中小企業で財務も脆弱」(関係者)だ。製造要員や品質管理などの人材も不足している。供給が滞っているからといって「簡単には増産投資などに踏み切れるハズもない」と業界中堅筋。

 そこで厚労省が持ち出してきた“切り札”が再編というわけだろう。有識者会議の提言では、具体例として①大手メーカーや投資ファンドによる中小メーカーの買収②医薬品卸や調剤薬局などによる中小メーカーの買収③複数のメーカーが集まって製造品目や機能を集約する--といったパターンも挙げた。

 果たして医薬卸大手のメディパルHDや調剤首位のアインHDなどを巻き込み業界の垣根を越えた大再編劇にまで発展するのか。市場からは「後発薬利用促進の旗だけ振って産業育成の視点を欠いた厚労行政の失敗のツケ」との声も飛ぶ。

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