著者のコラム一覧
小沢コージ自動車ジャーナリスト

雑誌、web、ラジオ、テレビなどで活躍中の自動車ジャーナリスト。『NAVI』編集部で鍛え、『SPA!』で育ち、現在『ベストカー』『webCG』『日経電子版』『週刊プレイボーイ』『CAR SENSOR EDGE』『MONOMAX』『carview』など連載多数。TBSラジオ『週刊自動車批評 小沢コージのカーグルメ』パーソナリティー。著書に『クルマ界のすごい12人』(新潮新書)、『車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本』(宝島社)、『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた 27人のトビウオジャパン』(集英社)など。愛車はBMWミニとホンダN-BOXと、一時ロールスロイス。趣味はサッカーとスキーとテニス。横浜市出身。

ますますデカくなったのにミニっぽい 新型ミニ カントリーマンのオシャレアイコン化が凄い!

公開日: 更新日:

ミニ カントリーマン(車両価格:¥4,930,000/税込み~)

 2002年「ミニの日」(3月2日)に国内発売されるや、いきなり市民権を得たBMWミニ。今じゃ8年連続でVWゴルフを抜き、「日本で一番売れる輸入車」となったが、昨年末から今年にかけてイッキに新世代へ生まれ変わることになった。その第一弾がこの新型ミニ カントリーマンだ。先代まで「ミニクロスオーバー」と呼ばれていたSUVモデルで、この世代からグローバル共通名になったわけだ。

 さておき1番の注目はサイズ感。始祖たる英国生まれの初代ミニは全長3mのミニマムボディの中に、大人4人が収まる超コンパクト&スペース効率が売りだったが、カントリーマン第一世代はミニ初の全長4m超えの4枚ドアの4駆設定アリ。当初は「ミニじゃなくてデカ」とも言われたが、新型第三世代はさらにデカくなっている。

 具体的には先代比で13cm長く1.5cm広く6.5cm高くなって、全長×全幅×全高は4445×1845×1660mm。国産SUV比ではホンダ ヴェゼルより全然デカい。

インテリアも圧倒的にオシャレ

 ただし、それでもミニっぽくオシャレなのがさすがのデザイン力で、フォルムは特徴的なショートオーバーハング&ショートボンネット&ロングホイールベース。何より新世代の8角型グリルやLEDリング付きの6角形ライトがいかにもデジタルキャラクターっぽい。このままアイコン化してピクサーアニメに出してもおかしくない可愛さだ。

 インテリアもこれまた圧倒的にオシャレ。本革やクロームメッキなど環境に優しくない素材を使わないだけでなく、運転席前メーターを廃止。全車ヘッドアップディスプレイを標準とし、インパネ中央に世界初の直径24cmの有機ELディスプレイをドカンと配置。これが日本製ではなく韓国サムソン製ってところが残念だが、有機ELだけあって黒の深みが素晴らしく、グラフィックや文字も鮮やか。ミニオリジナルのスマホライクなアプリと相まって、使い心地は新鮮だ。

 スイッチ&レバー類は極力省略され、ウィンカーやワイパーレバーなどを除くとディスプレイ下にイグニッション、シフト、オーディオ調整、エクスペリエンスモードなど5つのトグルスイッチが備わるのみ。最後のエクスペリエンスモードが面白くて、アクセル開度やステアリングの効き具合を調整できるだけでなく、テーマにあったディスプレイグラフィックや音響効果が得られる。

デカくなってもゴーカート感ある乗り心地

 さらに新世代カントリーマンの特徴は、従来通りの1.5ℓガソリンターボ、2ℓガソリンターボ、2ℓディーゼルターボに加え、完全にエンジンなしのバッテリーEVも選べること。それもパワースペック違いで2グレードもだ。

 今回乗ったのはハイパワーな204psの2ℓガソリンターボ搭載の4駆モデル、カントリーマンS ALL4だが、これが楽しい。確かに新世代ミニらしく、親会社のBMWに負けない乗り心地の良さや静粛性を備えているのはもちろん、車内はさらに拡大。リアシートに大人3人が普通に座れるのはもちろん、ラゲッジ容量も505ℓとデカい。それでもステアリングのキレ味、躍動感ある乗り心地は確実にミニっぽいのだ。

 徐々にデカく快適になり、現代のプレミアムSUVに恥じないクオリティを備えつつも、原点たる英国車ミニのゴーカートフィーリングも忘れない。ここが新型カントリーマンの真骨頂なのである。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  2. 2

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 3

    未成年の少女を複数回自宅に呼び出していたSKY-HIの「年内活動辞退」に疑問噴出…「1週間もない」と関係者批判

  4. 4

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  5. 5

    2025年は邦画の当たり年 主演クラスの俳優が「脇役」に回ることが映画界に活気を与えている

  1. 6

    真木よう子「第2子出産」祝福ムードに水を差す…中島裕翔「熱愛報道」の微妙すぎるタイミング

  2. 7

    M-1新王者「たくろう」がネタにした出身大学が注目度爆上がりのワケ…寛容でユーモラスな学長に著名な卒業生ズラリ

  3. 8

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  4. 9

    高市政権の積極財政は「無責任な放漫財政」過去最大122兆円予算案も長期金利上昇で国債利払い爆増

  5. 10

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手