1993年に自民党が下野…平岩経団連が献金斡旋を取りやめ
岸田文雄、安倍晋三、茂木敏充……。近年の自民党の中軸の面々は、いずれも1993年に初当選した。
この年、自民党は結党から38年で初めて政権を失った。細川護熙を首相とする7党1会派による連立政権が生まれた。
70年代の田中金脈問題やロッキード事件以降も、自民の「政治とカネ」のスキャンダルは続いた。値上がり確実の未公開株を政治家に配った「リクルート事件」(88年)、金丸信・元副総裁の脱税事件(93年)、ゼネコン汚職(同)といった具合だ。国民の自民党離れが加速していた。
新政権は94年、政治資金規正法を改正。税金による政党交付金制度をつくり、政治家個人への企業・団体献金を禁止することにした。政党への企業・団体献金も5年後に見直す方針を盛り込んだ。
ただし、この方針は後に自民党政権が復活し実現しない。
自民党の下野に経団連は揺れた。
衆議院解散の3日後、93年6月21日の時点では、経団連会長の平岩外四(東京電力会長=写真)が「自民に従来通りの資金援助をする」と言ったものの、財界からは反発を受けた。