フルタ製菓 古田盛彦社長(1)元祖・食玩「チョコエッグ」は大阪の長屋で産声を上げた!

公開日: 更新日:

「『これからは食だ!』と兄弟の誰が言ったのかは分からないのですが、少し前のインターネットが出てきた時みたいな勢いのある時代で。その中で、もちろんお金をかければいろんなことができるんですが、菓子製造は大きな機械を使わずに手作りでできる産業なんですよね。初期投資があまりいらないということで、菓子製造を始めたそうです」

 チョコレート菓子のイメージが強いフルタ製菓だが、創業当時は乳ボーロを作っていた。時代の上昇気流にも乗って、乳ボーロの売れ行きは順調。しかし、創業メンバーの思惑通り、事は進まなかったようだ。

「兄弟3人で喧嘩もするけど、『成長させなあかん!』というので必死に頑張ったようです。それもあって乳ボーロはよく売れたのです。でも、競合するメーカーが多すぎて、利幅を上げられない。売っても売っても儲からない。そこで次に始めたのがビスケットです。それと前後してチョコレートも始めました」

 売り上げはそこから徐々に伸びていき、長屋の一軒家を借りた工場が手狭になっていく。56年、焼き菓子とチョコレートを作る新工場を相次いで造った。その時のチョコレート工場が現在の本社工場のある場所だ。 (つづく)

(ジャーナリスト・中西美穂)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • ビジネスのアクセスランキング

  1. 1

    くも膜下出血で早逝「ブラックモンブラン」41歳副社長の夫が遺してくれたもの…妻で竹下製菓社長が告白

  2. 2

    ロピア(上)カトパンの夫が社長就任後に急成長 イトーヨーカ堂の7店舗を手に入れる

  3. 3

    クリーク・アンド・リバー社 井川幸広会長(1)プロフェッショナル人材の生涯価値の向上を掲げて全面サポート

  4. 4

    インターネット・アカデミー 西洸人社長(1)祖母が教えてくれた「自分のことより人を先に」が仕事の本質

  5. 5

    クリーク・アンド・リバー社 井川幸広会長(6)事業は「ロマンと算盤」のバランス 消滅危機のサガン鳥栖の再生へ

  1. 6

    クリーク・アンド・リバー社 井川幸広会長(7)出資ベンチャー元日野自動車会長の下義生氏が采配を振るうワケ

  2. 7

    「ブラックモンブラン」竹下製菓が最大の危機に…事業拡大の矢先、右腕の夫と会長の父に先立たれ

  3. 8

    インターネット・アカデミー 西洸人社長(2)就職氷河期に「誰かにきっかけを与える仕事をしたい」と入社

  4. 9

    トランプ政権もう不協和音?イーロン・マスク氏「ソフトバンクはカネがない」と78兆円AI投資に疑義の本音

  5. 10

    キコーナ 木下春雄会長(1)パチンコ店業界3位のグループを率いる創業者の紆余曲折

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    渋野日向子に「ジャンボ尾崎に弟子入り」のススメ…国内3試合目は50人中ブービー終戦

  2. 2

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  3. 3

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  4. 4

    国分太一は人権救済求め「窮状」を訴えるが…5億円自宅に土地、推定年収2億円超の“勝ち組セレブ”ぶりも明らかに

  5. 5

    人権救済を申し立てた国分太一を横目に…元TOKIOリーダー城島茂が始めていた“通販ビジネス”

  1. 6

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  2. 7

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  3. 8

    ソフトバンクに「スタメン定着後すぐアラサー」の悪循環…来季も“全員揃わない年”にならないか

  4. 9

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  5. 10

    小泉“セクシー”防衛相からやっぱり「進次郎構文」が! 殺人兵器輸出が「平和国家の理念と整合」の意味不明