著者のコラム一覧
重道武司経済ジャーナリスト

1957年鳥取県倉吉市生まれ。84年フジサンケイグループ傘下の経済紙「日本工業新聞」(現フジサンケイビジネスアイ)の記者となり、千葉支局を振出しに鉄鋼、自動車、総合電機、財界、金融、エネルギー(電力・石油・ガス)などの業界を担当。2000年外資系通信社に転じた後、02年からフリーに。得意分野は通信社時代を含めて在籍足掛け7年にも及んだ日銀記者クラブ時代に人脈を培った金融。自動車業界にも強い。

「日本電解」経営破綻が波紋…上場企業では今年初、再建の道筋いまだ見えず

公開日: 更新日:

■三井住友銀から20億円のつなぎ融資

 日本電解の製品は高品質で耐久性に優れていることで知られ、最近ではEV(電気自動車)など車載用リチウムイオン電池の負極材料としての利用にも期待が高まっていた。が、「EV変調」でこれがつまずく。需要が想定を大きく割り込み、20年買収した米国工場の稼働率が低迷。加えて「事業を牽引してきた」(事情通)とされるスマートフォン向けの減退や銅価高騰によるコスト上昇なども追い打ちをかけた。

 22年3月期に205億円あった連結売上高は23年3月期には170億円に縮小して19億円の最終赤字に転落。今年上半期(4~9月)には米国工場の減損を余儀なくされ、最終赤字幅は50億円超にまで膨張、債務超過が避けられない状態に陥った。

 同社では三井住友銀から20億円のつなぎ融資を受けて事業を継続しつつ、再建に向けて今後、スポンサー探しを進める。業界内では日立系への“先祖返り”や大手電子部品メーカー、国内外の投資ファンドなどの名前が「白馬の騎士」として取り沙汰されているが、道筋はまだ見えていない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    コメ増産から2カ月で一転、高市内閣の新農相が減産へ180度方針転換…生産者は大混乱

  2. 2

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  3. 3

    “裸の王様”と化した三谷幸喜…フジテレビが社運を懸けたドラマが大コケ危機

  4. 4

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  5. 5

    ヤクルトのドラフトは12球団ワースト…「余裕のなさ」ゆえに冒険せず、好素材を逃した気がする

  1. 6

    小泉“セクシー”防衛相からやっぱり「進次郎構文」が! 殺人兵器輸出が「平和国家の理念と整合」の意味不明

  2. 7

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  3. 8

    菅田将暉「もしがく」不発の元凶はフジテレビの“保守路線”…豪華キャスト&主題歌も昭和感ゼロで逆効果

  4. 9

    元TOKIO国分太一の「人権救済申し入れ」に見る日本テレビの“身勝手対応”

  5. 10

    “気分屋”渋野日向子の本音は「日本でプレーしたい」か…ギャラリーの温かさは日米で雲泥の差