尾西食品 市川伸介社長(1)防災意識の高まりでアルファ米が注目される

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 当時の非常食はカンパンが中心だったが、主食として馴染めなかった避難者たちから、「ごはんが食べたい」という要望があったのだ。

 さらには2013年、東日本大震災の教訓から3日分の水や食料などの備蓄を求めた「東京都帰宅困難者対策条例」が施行されると、国や自治体だけではなく企業や学校などにも備蓄する動きが広がっていく。

 亀田製菓に勤務していた市川(64)が、尾西食品に転じたのもこの年だった。尾西食品が亀田製菓のグループ会社となったことで、市川は営業の陣頭指揮を執ることになったのだ。

 24年元日に発生した能登半島地震は記憶に新しいが、このような大災害が発生すると、内閣府統制のもと、各省庁に指示が出る。

 尾西食品にも農水省からすぐに、「どのくらい供給できますか」「大至急でお願いします」という連絡が届いたという。

「私どもではただちにトラックを手配して、工場にある在庫を現地に送り届けます。ただ、能登半島地震が起きたのは元日ということもあり、休日出勤で手配に奔走したのですが、物はあってもトラックの台数が追いつかないという事態に陥り、物流面での課題が残りました」と、市川は語る。

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