ドン・キホーテが進次郎農相に異例の「直訴」…コメ流通は消費者ファーストではないのか? 識者が解説
中抜きが価格高騰に拍車か
日本で生産されるコメのおよそ4割をJAが集荷し、残りを民間の集荷業者のほか、農家との直取引などが占める。需要が逼迫した場面で問屋間で融通し合うことで確かに価格は上がるが、問屋の多くが暴利を貪っているわけではないという。
「ドンキさんが多くの問屋を通さず、農家や民間集荷業者などから直接仕入れることは可能ですが、自社で精米工場を持っていないと、精米はもちろんのこと、異物除去などの加工や梱包を外部に委託することになります。その分の手数料や輸送費が発生するので、結局、問屋から仕入れるほうが価格も品質も安定します。また問屋を介さないのであれば、商社などの力を借りないことにはコメを大量に確保することは難しく、不作の際にそれはより明確になります」(常本泰志氏)
昨夏から続く価格高騰は中間業者の複数取引による結果ではなく、一部の民間集荷業者が価格を吊り上げたことが大きく作用しているという。
大手小売りほど、卸業者を通さずに品質の安定したコメを継続的に販売するのは難しく、自社で問屋を買収でもしない限り、今の流通を簡略化するのは容易ではないのだ。
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小泉大臣のやっていることは“市場の破壊”でしかない?●関連記事【もっと読む】『随意契約“小泉米”をホメているのは新聞とテレビだけ…専門家の評判はからっきし』もあわせてどうぞ。
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