著者のコラム一覧
森岡英樹経済ジャーナリスト

1957年生まれ。早稲田大学卒業後、 経済記者となる。1997年、米コンサルタント会社「グリニッチ・ アソシエイト」のシニア・リサーチ・アソシエイト。並びに「パラゲイト ・コンサルタンツ」シニア・アドバイザーを兼任。2004年にジャーナリストとして独立。

地銀に蔓延する「ステルス投資」にメス! 金融庁が新人事で監視強化へ

公開日: 更新日:

 融資する銀行にとって仕組み貸し出しは、一定の利回りが確保でき、かつ国債に直接投資する場合と異なり、時価評価の開示を求められずに貸出残高の増加につなげることができるメリットがある。一方、証券会社などはサヤを抜けることで、「銀行と証券会社はウィンウィンの関係にある」(金融庁関係者)という。

 だが、仕組み貸し出しは「公正価値」の把握が難しく、デリバティブ契約の内容次第では、金利上昇時に逆ザヤが生じる可能性がある。

■リスク内蔵の「ブラックボックス」

 また、金利動向によっては、中途解約時に損失が発生するものの、流動性が低いため売却に時間がかかり、さらに損失が拡大する可能性もあると指摘される。まさにリスクを内蔵した「ブラックボックス」といえる。ここ1年で「1000億円以上残高を増やした銀行もある」(金融庁関係者)という。

 金融庁のチェックは、これまでは個別の銀行への聞き取りが中心だったが、地銀全体に調査を拡大する。各銀行に残高などの開示を求め、年内をめどに問題点やあるべき姿といった論点をまとめて公表する方針だ。「ステルス(見えない)リスク」があぶり出される可能性もある。

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