日経平均株価は最高値更新だが…中小企業の倒産増加の不気味
「コロナ禍の影響で売り上げが減った中小企業に無利子・無担保のゼロゼロ融資を行ってきましたが、物価上昇や人件費、物流コストの値上げ幅が大きく、ゼロゼロ融資の効果がなくなってきた。また、倒産件数の増加で金融機関が中小小口企業にまでフォローし切れなくなってきたことが背景にある」
同社は24年1月期から12月期の間に、資本金1億円以上の72万社に業績アンケートを実施。その結果、増収企業は48.4%、増益企業が44.6%と半分以上の企業が増収増益に届いていない。調査結果から先の友田氏がこう述べている。
「好景気の会社は半数で、景気の悪い会社も半数ある。つまり上場企業の中でも二極化が進んでいるということ。為替の影響は今後も大きく、輸出産業に比べ衣食住が絡む内需型産業は中小企業が多く、物価上昇やさまざまなコストアップから中小企業の経営はさらに厳しくなる」
7月の全国企業倒産件数961件のうち、零細な小規模企業者(小企業)の倒産件数は863件と全体の約9割を占める。資本金1000万円、負債1000万円未満の中小小口企業の倒産増の影響は、規模として日本経済への影響は小さくても全国に波及すれば地方経済の疲弊につながる。国内企業全体の99.7%を占める中小企業は、個人消費を左右し、日本経済を支える基盤だ。日本経済に影響を及ぼしてくることは見逃せない。株価の史上最高値に浮かれている時ではない。
(ジャーナリスト・木野活明)