HISの狙いは「多角化経営」か…創業者が取締役に復権し、長男が社長に
「直近の24年10月期の営業キャッシュフローは292億円のプラスとなっており、本業でキャッシュを生み出せている」(メガバンク幹部)
■コロナ禍では苦境に
だが、それまでの間、HISはコロナ禍により、塗炭の苦しみを味わった。20年10月期及び21年10月期は新型コロナウイルス感染拡大の影響をまともに受け、赤字決算を強いられた。22年10月期にはハウステンボスの売却を余儀なくされた。
しかし、ハウステンボス売却に伴う特別利益計上があっても赤字決算となり、翌23年10月期も純利益ベースでは赤字決算を強いられた。ようやく純利益が黒字転換したのは24年10月期になってから。5期ぶりの回復で復配もした。
この間の22年10月には大幅な減資を実施し、資本金1億円以下の中小企業へと転換。税制上の恩典を受けるためだった。また、創業者で筆頭株主(24年10月末時点で22.4%保有)である澤田秀雄社長が退任を余儀なくされた。
さらに、「雇用調整助成金の不正受給が発覚。約242億円の一部に不適切な受給があった。このため特別調査の実施で決算発表が遅延するなど、コンプライアンス問題で苦汁をなめた」(大手信用情報機関)とされる。


















