「おこめ券」は妥当な家計支援なのか? 経済の専門家が指摘する違和感と数々の課題

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「経済対策として支出された一部が中間流通に吸収され、家計への支援効果はさらに薄まる。また、おこめ券は全国で利用可能で転売ルートが広く、流出を防ぐ手段は極めて少ない」(小前田氏)

 11月28日に発表された農林水産省の全国スーパー5キロ平均価格は4312円(11月17~23日)と12週連続で4000円台の高止まりが続いている。一方、高値の新米が売れず、消費者の買い控えでスーパーの在庫は過多状態。供給量は現在十分といわれ、本来なら米価の高騰で消費者の買い控えから需要が落ち込む結果、米価は市場原理により自然に下落する。

「市場原理による調整を阻害するおこめ券の配布は、長期的に市場の効率性を歪め米価の硬直化、高止まりを長引かせる可能性がある」(小前田氏)

 すでにおこめ券の配布を開始している台東区の給付金担当に聞いた。

「夫婦2人に子供1人の3人家族では1枚500円のおこめ券を20枚配布、8800円分を購入に使えます。ただ、おこめ券の配布は各家庭1回だけの予定です」

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